おすすめコンテンツ

「必ず差がつく」コンテンツ

第25回 教育


自分に合った仕事に就くためには、業界の仕事内容や特徴、動向について知る業界研究が欠かせない。そこで、ここでは主要な29業界についてわかりやすく解説。「志望するのはこの業界!」と最初から決めつけず、まずはいろいろな業界を見てほしい。そこから気になる業界をピックアップし、深く掘り下げていこう。そこで志望業界に関連する業界まで研究すると、その業界の社会における役割をより深く理解することができるはずだ。
※各業界における主要企業の業績や最新動向については、業界勢力図をチェック!

教育 〜「学ぶ」にまつわるサービスを提供

【業界の特徴】
 教育業界は、学習塾、家庭教師、通信教育、資格取得、生涯学習など、学力向上やスキルアップを目的とする幅広い年齢層の人々に教育サービスを提供する。小・中・高校生を対象とした「進学向け」と、キャリアアップを目的とした「社会人向け」の2つに大別される。メディアの発達とともに教材の形態も多様化しており、従来からのパソコン向けネットワーク教材に加えて、スマートフォンやiPadなどのタブレット端末の活用も広がっている。

【業界の動向】
 市場全体としては横ばい状態が続く教育業界だが、長引く景気の低迷により、親が子どもにかける教育費は減少傾向。少子化にもかかわらず年々上昇を続けていた子どもの教育費にも、ここへ来て陰りが見られるようになった。
 しかし、2011年度から施行された学習指導要領の改定にともなって市場が活性化。「脱ゆとり教育」を掲げる新要領では学校の授業が従来よりも難しくなり、学習塾や予備校では補習ニーズが高まりを見せている。2010年度から始まった子ども手当の支給も市場活発化の好材料となっていたが、東日本大震災後の財政見直しで支給額の一部減少や所得制限の実施が決定し、今後の業界への影響が懸念されている。

 2010年度の社会人向け教育市場では、英会話・語学学校が堅調に推移。特にビジネス英語への需要が高く、国内企業の海外進出の増加を背景に大きく拡大した。一方、資格取得予備校は7 年連続の縮小となっており、厳しい状況が続く。通信教育では、幼児向けや小学生向け教材は堅調だが、不況の影響で社会人向けが低迷している。

【業界トピックス】
 現在、学習塾で好調なのは中学受験分野。公立中高一貫校の相次ぐ開校により、都市部だけでなく地方でも中学入試の受験者数が伸びており、小学生の通塾率は増加傾向にある。一方、少子化で大学受験者数が減少しているのに加え、推薦入試やAO入試(従来入試に頼らない評価基準による入試形態)で早い時期に受験勉強を終える学生が増えていることから、大学受験中心の予備校は苦戦している。また、個別指導教室は好調が続いており、集団指導を中心とする学習塾が個別指導を手掛けるケースも増えている。

 進学向け教育業界では少子化にともなって競争が激化し、学習塾や予備校を中心にM&Aで事業の強化・拡大を図る動きが活発化している。また、頭打ちの国内から海外へと目を向け、先行する公文やベネッセの後を追い、経済成長が著しい中国などのアジア市場へ乗り出す企業も増えている。文化の異なる現地のニーズに合ったサービスを開発しなければならないという難しさはあるものの、今後、規模の拡大が見込めるアジア市場は日本の教育関連企業にとって大きな魅力。各社は、世界140ヵ国で放映された子供向け教育番組のキャラクターを教材に用いたり、買収によって必要なノウハウを獲得するなど、独自の戦略で文化の壁を乗り越えようとしている。

【業界キーワード】
●脱ゆとり教育
 基礎学力の低下が指摘されるゆとり教育を見直し、2008年に改訂された学習指導要領のこと。「脱ゆとり教育」と称される。授業時間・内容の削減を行ってきたこれまでのゆとり教育とは異なり、脱ゆとり教育では授業時間・内容を拡充。小学校では2011年度、中学校では2012年度、高校では2013 年度から完全実施される予定で、ニーズの増大が期待される学習塾や予備校では、学習量の増加に対応する指導プログラムを用意し、生徒の獲得を図っている。