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第9回 ゲーム・アミューズメント 


業界研究で業界全体の動向を把握した後は、「業界勢力図」で時々刻々と変化する企業の動きをチェックしよう! 「業界勢力図」では主要29業界56分野における主な企業の勢力分布や最新動向、トピックなどを詳細に紹介。トライの家庭教師に登録している人なら無料で登録できる企業分析サイト「eol企業ナビ」で入手した情報も交えてお届けする。各業界の各企業はどのように将来を切り開こうとしているのかについて造詣を深めるとともに、彼らが求める人材像の一端をそこから読み取ろう。

ゲーム・アミューズメント 〜 新型ハードで復活を狙うゲーム市場。アミューズメントは震災が打撃に

●ゲーム

【ゲーム業界売上高ランキング&対前期比】
1 任天堂 1兆0,143億円 減少
2 ソニー(ゲーム事業) 7,984億円 減少
3 バンダイナムコHD(コンテンツ事業) 1,799億円 増加
4 コナミ(デジタルエンタテインメント事業) 1,331億円 減少
5 セガサミーHD(コンシューマ事業) 895億円 大幅減

【主要企業の最新動向&トピックス】
 家庭用ゲーム市場は2008年秋以降、不況による個人消費の低迷から国内・欧米ともに縮小傾向。主要なゲーム機の普及や無料・低価格を武器とする携帯・ネットゲームの急成長で、ハード・ソフトともに苦戦している。しかし、2010年後半から相次いで投入された3D対応の新機種や体感型ゲームにより、今後は回復に向かう見込みだ。
 一方、携帯・ネットゲーム市場は2011年も好調に推移。スマートフォンのゲームアプリやSNS系のソーシャルゲームの伸びが著しく、ソフトメーカーの参入も相次いでいる。

 業界を牽引する首位の任天堂は、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」、体感型ゲーム「Wii」になど記録的なヒットを連発。他の追随を許さない独創的なソフト開発で幅広い顧客層を取り込み、国内ゲームソフト市場でシェア1位に君臨している(エンターブレイン調べ)。しかし、2011年2月に満を持して発売した「ニンテンドー3DS」が東日本大震災による国内市場の冷え込みで失速。発売から半年も経たずに希望小売価格を1万円値下げし、1万5,000円で販売せざるを得なくなった。年末に大量投入する「スーパーマリオ3Dランド」などの3DS専用ゲームソフトや、翌2012年に発売予定のWiiの後続機「Wii U」での巻き返しを狙っている。

 2位のソニーは、大ヒットした家庭用ゲーム機「PlayStation」(以下PS)「PS2」の後継機である「PS3」、携帯型ゲーム機「PSP」の販売が振るわず、任天堂とのハード普及競争に苦戦。2010年秋に投入したPS3用の体感型ゲーム周辺機器「PS Move」、2011年末に発売する携帯型ゲーム機「PS Vita」でのユーザー拡大を目指している。

 3位のバンダイナムコホールディングスは、玩具大手のバンダイと、アミューズメント事業を運営するナムコの経営統合により2005年に設立。業務用ゲーム機の製造販売や「ナムコ・ナンジャタウン」などアミューズメント施設の運営も行っている。2010年度の家庭用ゲームソフト事業では、「PS3」や「Xbox360」(マイクロソフトの家庭用ゲーム機)向けの新作ソフトが世界的なヒットとなり、国内シェア2位の座に返り咲いた(エンターブレイン調べ)。

 4位のコナミは「ウイニングイレブン」「メタルギアソリッド」「ラブプラス」などのゲームソフトが主力。オンラインゲームや携帯ゲーム向けコンテンツ、業務用ゲーム機の開発・運営も手掛ける。SNS向けゲームでは、2010年にグリーで配信を開始した「ドラゴンコレクション」、モバゲータウンで配信を開始した「戦国コレクション」が好調。

 5位のセガサミー HDは、パチスロ最大手のサミーとゲームメーカーのセガの経営統合で2004年に誕生。アミューズメント機器開発や施設運営、パチスロ・パチンコ遊技機の製造も手掛ける。2010年度の家庭用ゲームソフト事業では、ゲームソフトの販売総数が昨年度の2675万本から1871万本へと激減。頼みの欧米市場での販売が低迷したことで、前期実績を大きく下回った。今後はSNSやスマートフォン向けコンテンツ事業の強化に努め、収益確保を急ぐ構え。

 有力ゲームメーカーにはこのほか、2010年秋に体感型ゲームシステム「キネクト」を投入した米マイクロソフト、「モンスターハンター」「ストリートファイター」などアクション系ソフトが人気のカプコン、「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」を主力ソフトとするスクウェア・エニックス・ホールディングスなどがある。携帯・ネットゲームは「モバゲー」のディー・エヌ・エー、携帯ゲーム主力のグリー、SNS「mixi」でゲームを配信するミクシィなど多数。

【eol企業ナビチェック】
 バンダイナムコホールディングスを除く大手ゲームメーカーが軒並み減収となる中、カプコンはゲーム事業の売上を大きく伸ばし、売上高ランキングで前年度の8位から6位に上昇を果たした。
 eol企業ナビでカプコンの有価証券報告書を見てみると、コンシューマ・オンラインゲーム事業(家庭用ゲーム)の売上高は702億円(前期比60.8%増)、モバイルコンテンツ事業(モバイル向けゲームコンテンツ)の売上高は40億円(前期比13.3%増)と、いずれも大幅な増収となっている。
 家庭用ゲームでは、主力ソフトの新作「モンスターハンターポータブル 3rd」(PSP用)のヒットで大幅にシェアを拡大し、同年の国内ゲームソフト市場でシェア3位の座を獲得(エンターブレイン調べ)。海外照準の4タイトル(PS3、Xbox 360用)のミリオンセラー達成でも収益を押し上げた。
 また、ディー・エヌ・エーが運営する「モバゲー」へのゲーム配信を始めたほか、米SNS大手のフェイスブックと連動してiPhone・iPod touch向けのソーシャルゲームの供給を開始し、2つの新規タイトルで1000万ダウンロードを突破。多面的なコンテンツ展開と海外市場の開拓を積極的に推し進めたことも躍進の要因となっている。
(数字は2010年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)


●アミューズメント

【アミューズメント業界主要施設&主要企業】
■テーマパーク
東京ディズニーリゾート(オリエンタルランド)、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)、東京ドームシティアトラクションズ(東京ドーム)、富士急ハイランド(富士急行系列)、サンリオピューロランド(サンリオエンターテイメント)、よみうりランド、スパリゾートハワイアンズ(常磐興産)、志摩スペイン村(近鉄グループ)、ハウステンボス(2010年より旅行大手H.I.Sの資本支援で経営再建中)

■その他テーマパーク
ナムコ・ナンジャタウン(バンダイナムコHD)、新横浜ラーメン博物館、キッザニア東京(キッズシティージャパン)

■水族館・動物園
横浜・八景島シーパラダイス(西武グループ)、沖縄美ら海水族館、上野動物園、旭山動物園

■映画館運営(映画興行)会社
TOHOシネマズ(東宝系)、T-JOY(東映系)、松竹マルチプレックスシアターズ(松竹系)、角川シネプレックス(角川書店グループ)、ワーナーマイカル(イオングループ)、ユナイテッド・シネマ(住友商事グループ)

■パチンコ・パチスロ
セガサミーホールディングス、SANKYO、三洋物産、京楽産業(以上メーカー)、マルハン、ダイナム、ガイア(以上ホール運営)

【主要企業の最新動向&トピックス】
 近年のアミューズメント業界は、不況や少子高齢化などで市場の停滞が続いていた。そこに起こった東日本大震災、福島第一原子力発電所事故で業界は大きな打撃を受け、東北・関東では大幅な業績悪化に苦しむ企業も少なくない。2012年度からは徐々に消費者の自粛ムードが薄れて市場も上向く見通しだが、2011年度中は停滞が続くとみられる。

 東北・関東のテーマパークやレジャー施設の多くは、施設の損壊や計画停電の実施などで休業や営業時間短縮を余儀なくされた。再開後も自粛ムードの高まりから入場者数が減少しており、各社苦戦が続いている。
 東京ディズニーリゾートの運営で業界トップのオリエンタルランドは、施設の一部損傷や電力供給の不足により、震災後1ヵ月ほど休園。2011年3月期の入園者数を前期比1.8%減の2,536万人に、売上高を同4.1%減の3,561億円 に落とした。とはいえ、他の追随を許さない独り勝ち状態に変わりはなく、地力の強さを見せつけた格好だ。一方、常磐興産の運営するスパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)は余震で施設が損傷し、現在は一部施設のみ営業。2012年2月の全面再開に向け、フラガールたちの全国派遣やHPでの放射線量測定結果の報告など、PRや風評被害対策に努めている。また、動物園や水族館も大きな被害を受け、一時は休園する施設が相次いだ。目立った被害のなかった東京の上野動物園でも、予定していたパンダの一般公開が無期限延期になるなどの影響を受けている。
 その他の地域のテーマパークや動物園、水族館などでは近年続く入園者数減に歯止めがかからず、減少から横ばい状態が続いている。

 3D映画のヒットやシネマコンプレックス(複数のスクリーンを備えた映画館)の新設ラッシュで2010年に拡大した映画市場は、2011年に入って減速。震災による落ち込みは他の娯楽ビジネスに比べて限定的だったが、ヒット作が小粒なことや3D映画の集客力が落ちたことなどが原因とみられる。
 ユナイテッド・シネマは、2010年からスポーツや音楽ライブの生中継など映画以外のコンテンツを強化。韓国大手TV局と提携を結び、韓国人気アーティストのライブ映像を継続的に公開している。また、TOHOシネマズは2011年から一部施設で映画料金の値下げを開始し、翌年春には自動券売機の導入も予定。こうした入場者拡大やコスト削減に向けた動きは、今後活発化する見込みだ。

 2010年はパチンコ・パチスロ市場の縮小に歯止めがかかり、セガサミーホールディングスやダイナムなど、売上を大きく伸ばした企業もみられた。しかし、その後は震災による直接的な被害や、その後の計画停電、輪番休業(営業自粛)による営業日数の減少でパチンコホールがかなりのダメージを受け、廃業に追い込まれた企業も少なくない。一方、機器メーカーでも震災後はパチンコホールの新台入れ替え需要が低迷し、2011年度の業績への影響が懸念されている。

【eol企業ナビチェック】
 他のテーマパークを圧倒する高い人気を誇る東京ディズニーリゾート。2010年度(2011年3月期決算)は震災後の休園で入園者数を落としたものの、年間では平均的な数字を維持した。しかし、その後はどうなっているのか……eol企業ナビでオリエンタルランドのプレスリリースをチェックしてみた。
 それによると、2011年度上半期(4月~9月)の東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーの2パーク合計の入園者数は、前年同期比17.1%(221万人)減の1,073万人。ただし、夏休み期間に入った第2四半期(7月~9月)は過去最高の入園者数を記録している。
 7月以降は震災による自粛ムードの緩和で消費マインドが回復傾向にあったことに加え、各種イベントや新規アトラクションの導入が高い集客効果を生んだ。また上半期全体で見れば、再開後に行った期間限定の割引チケット発売や遠方客向けのツアー企画導入といった集客対策も功を奏したとみられる。9月4日から始まった東京ディズニーシー10周年記念イベントやハロウィーンのイベントも好調で、今後はクリスマスや翌年のバレンタインイベントを控えており、下半期も引き続き集客は回復に向かいそうだ。
(数字は2010年度の実績。有価証券報告書に基づき作成)



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